ガラモンとピグモンの違い
興味のない人にとっては、全く同じに見えるガラモンとピグモン。
ガラモンはガラダマという隕石に乗って地球に飛来してきた身長40mのロボット怪獣で、ピグモンは多々良島に生息する身長1mの友好珍獣です。
『総天然色ウルトラQ』のガラモンと『ウルトラマン』のピグモンの映像を見比べて、その違いについて検証してみました—―。
ガラモン
【初代ガラモン】
ウルトラQ第13話「ガラダマ」に出てくる初代ガラモン。名前の由来は“ガラダマ・モンスター”から来ているそうです。

体色は橙褐色で、三頭身のダルマのような形をしています。また、尻尾の先端が上に反っているのがわかります。

ただ、「総天然色ウルトラQ」は白黒フィルムをカラーライズしたものなので、ガラモンの体色は実際とは少し異なっています。

【二代目ガラモン】
ウルトラQ第16話「ガラモンの逆襲」に出てくる二代目ガラモン。

第13話と同じ怪獣スーツなので体や尻尾の特徴は同じですが、1つの怪獣スーツでガラモンが3体いることを表現するために、胸にマークがついています。

劇中では、2種類の異なる(チルソニア遊星人の) マークをつけているガラモンと、マークがついていないガラモンが登場します。

ピグモン
【初代ピグモン】
ウルトラマン第8話「怪獣無法地帯」で登場するピグモン。目印になるようにと、イデ隊員によって風船が体につけられているのが特徴です。

体色は『ウルトラQ』のままの橙褐色で、展示会で子供たちにトゲをむしられてしまい、ボリュームがなくなっているのがわかります(笑)

映像をよく見てみると、ピグモンの尻尾の先端が下に垂れ下がって地面についています。

また、スーツアクターが高身長の人に変わったため、怪獣スーツの首の部分を伸ばす改造が行われ、脚のジャバラの隙間も大きくなっています。

【二代目ピグモン(再生ピグモン)】
ウルトラマン第37話「小さな英雄」に登場する二代目ピグモン。

トゲが初代に比べて増毛され、体色も真っ赤になっています。これは怪獣ショーで使用された時に、橙褐色から赤にリペイントされたんだそうです。

足のジャバラの隙間もかなり大きくなっているのがわかります。

ただ、これはスーツアクターの足の長さに合わせた苦肉の策と思われるので、これをピグモンの特徴とするのは苦しいかと思います(汗)

編集後記
『ウルトラマン』は『ウルトラQ』と同じ予算だったため、白黒からカラーになるという意味で実質的な予算減額となり、廃物利用が至上命題となりました。
それが、ガラモン・ピグモン論争を生み出す原因になっていますが、ピグモンという可愛らしい怪獣を生み出すきっかけにもなっています。
ガラモンとピグモンの違いで一番わかりやすいのは、胸にマークがあるかないか、風船があるかないかだと思います。
しかし、マークも風船も無い場合はどうするか?

劇中ではガラモンが約三頭身、ピグモンが約四頭身ですが、アトラク用のスーツやデフォルメされた人形は頭身を考慮せずに造られているものもあります。
なので、体色で判断するという考え方もあります。
ガラモンの体色は橙褐色、再生ピグモンの体色は赤なので、「赤だったらピグモン」であることは間違いないです。

ただ、「橙褐色であればガラモン」と言いたいところですが、なんと初代ピグモンの体色はガラモンの体色である橙褐色のままであることが判明。
また、体色にこだわらないで造られているスーツや人形もあるので、体色での判断というのもあやふやな部分があるという。。

つまり、何も判断材料が無ければ、尻尾の先端が上に反っているか、下に垂れ下がっているかで判断するのが賢明なのかもしれません。 しかし先ほど、尻尾の先端が垂れ下がっているガラモンの人形の画像を発見(苦笑)

しかし、そももそもピグモンにはガラモンと同じスーツアクターが入る予定だったので、ピグモンとガラモンは同じ設定だったことになります。
つまり、もしピグモンにガラモンと同じ人が入り、怪獣ショーで赤に再塗装されなければ、ガラモンとピグモンは (尻尾以外は) 同じ姿だったのです。
なので、自分がガラモンだと思ったらそれはガラモンで、ピグモンだと思ったらピグモンでもいいような気がします(笑)
【出典】「総天然色ウルトラQ」「ウルトラマンBlu-ray BOX」「TSUBURAYA IMAGINATION」
「ウルトラQ伝説」「ウルトラマン研究読本」