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【建立30年】 「尾崎豊の歌碑」

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 尾崎豊の歌碑
  1994年4月25日建立


 渋谷クロスタワー(旧東邦生命ビル)前に在るテラス。

 ここには、尾崎豊が祈りを捧げている姿を模したレリーフと、『十七歳の地図』の歌碑からなるモニュメントが建立されています。

 本日、歌碑の建立から30年になることを記念して、尾崎豊の歌碑について紹介させて頂きます――。


  



 下校時に立ち寄っていた場所


 青山学院高等部時代の尾崎は、下校時によくここに立ち寄り、ビルの陰に沈む夕陽と渋谷の夕景を眺めていたそうです。


  


 この歌碑は、尾崎が亡くなった後、ファンの声を受けた東邦生命ビルのご好意により、三回忌にあたる1994年4月25日に建立されました。

 東邦生命保険相互会社、ソニーミュージックエンタテインメントの協力の元、田島照久氏が歌碑のデザインを監修をしました。


  


 『十七歳の地図』には、「歩道橋の上 振り返り 焼けつくような夕陽が今 心の地図の上で 起こる全ての出来事を照らすよ」という歌詞があります。

 歌詞の中の歩道橋はテラスの右側に続いている道のことで、ブロック塀の向こうから差し込む夕陽が、当時学生だった尾崎の心を照らしていたのでしょう。


  



 淋しくなる風景


【尾崎豊「誰かのクラクション」より】


 「会社帰りのサラリーマンや、OLたち、セーラー服を着た女学生やランドセルを担いだ小学生・・・・。みんないったいどこへ行くのかって、そんなこと考えてたな」

 ビルとビルの合間の夕陽は、突然彼を照らし、突然消えた。そしてまた突然彼を照らし、そしてまたビルの陰に消えていった。


  

 


【落合昇平「未成年のまんまで」より】


 「ここから見る夕陽が一番すごいんだ」

 渋谷東邦生命ビル。そこのテラスにもたれて、彼は夕陽を見ている。

 「高速道路がビルとビルの間を引き裂いて夕陽に向かってるでしょ。その高速道路の下を歩道橋がジグザグしてて、人が右往左往している。

 さらにその下を自動車が警笛を鳴らしながら行き来している」

 彼は、画家が下書きをするように、その街の構図を腕を伸ばして区切っていく。そして言う。

 「この風景はね、淋しくなる風景なんだ」 




 ―― 人や車の流れを 自分のさみしさの様に見ていた 『ドーナツ・ショップ』より



    




 人波の中をかきわけ 壁づたいに歩けば
 しがらみのこの街だから 強く生きなきゃと思うんだ

 ちっぽけな俺の心に空っ風が吹いてくる

 歩道橋の上 振り返り
 焼けつくような夕陽が
 今 心の地図の上で 起こる全ての出来事を照らすよ

 SEVENTEEN'S MAP





 編集後記


 尾崎豊の誕生日である11月29日、そして尾崎豊の命日である4月25日。

 その2日に限り、渋谷クロスタワー前の歌碑周辺に全国各地から老若男女の尾崎ファンが集まり、彼の歌を皆で一緒に歌いながら故人を偲んでいます。





 この世を去ってから30年の年月が経っているにも関わらず、今も歌碑前のテラスに集い、彼の歌を熱心に、そして楽しそうに口ずさむ人達の数は増え続けています。

 時が流れても決して風化せずに、時代や世代を超えて支持され続ける「尾崎豊」という不世出な存在の凄さに、改めて驚かされます。

 しかし、そんな場所も周辺の再開発のため、この場所は取り壊され、尾崎の歌碑も移設されるそうです――。


 



【出典】「尾崎豊の歌碑」「渋谷文化プロジェクト」 「Edge Of Street 11℃
    「7th Momorial 虹


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