●人口順位に変化
北海道の人口上位10市の順位に、変化が出始めている。
各市が発表した2017年1月末現在の人口では、減少が続く4位の釧路市と、ほぼ横ばいで推移する5位の苫小牧市が約千人差に迫っている。
今後は10市とも人口が減っていく見通しだが、ペースはまちまちで、他にも順位の変動が予想されている。
●順位逆転も
2017年1月末での人口は、釧路市17万4,349人、苫小牧市17万3,103人。
釧路市の年度末の人口は、1983年の22万8,245人をピークに毎年減少しており、約30年で22%減っている。
苫小牧市の人口のピークは、2013年11月の17万4,485人。市内の東部で稼働する自動車関連産業の工場などで雇用が確保され、人口は増加してきた。
2011年以降、自然減が生じたが、転入が転出を上回る社会増が補ってきた。
人口が道内4位の釧路は減少幅が一層大きく、5位の苫小牧との人口差は1,246人。転出入が多い3月に苫小牧の人口が釧路を上回り、順位が逆転する可能性もある。

釧路市が5位に転落すれば、1970年12月に小樽市を抜いて5位になって以来。2025年には帯広市にも抜かれて、6位となる見込み。
2035年には、人口が12万人を割るとの予測もある。
釧路市都市経営課は、「石炭、水産、紙・パルプといった基幹産業の衰退で、職を求めて道央や関東に転出する傾向に歯止めがかからない」と説明する。
苫小牧は中心部や西部で人口減少が進む一方、東部は自動車関連で人口が増え続けているため、ここ数年、人口の増減はほとんどない。
●雇用対策を最優先に
釧路では毎年、3月の人口減少分を4月の増加分で補えていないのが実態。
市は高校や大学などの新卒者が、就職を機に市外に流出する傾向が転出超過に大きな影響を与えているとしている。
「企業や官庁の出先機関の撤退や統合も転出超過を促している。流出食い止めには雇用対策を最優先に薦めなければならない」と危機感を募らせている。
●編集後記
釧路の人口減少には、教育の問題もあるとのこと。
離釧の理由には、「就職」のほかに「進学」もあるということで、人口の増減に教育環境も関係していることにちょっと考えさせられました。
釧路への観光客を増やして、その中から少しでも釧路への移住者が増えればと簡単に考えてたけど、問題の根は思った以上に深くて、一朝一夕にはいかないようです。。
右肩下がりで人口が減っていく限り、小売業や飲食業は減っていくパイを奪い合う構図になるので、人口減少を止める手立てを早急に講じてほしいものです――。
【記事/画像引用】 「どうしんウェブ」 「北海道ファンマガジン」