さくらももこ展
漫画家、エッセイスト、作詞家、脚本家といくつもの顔を持ち、国民的作品『ちびまる子ちゃん』を生み出したさくらももこ。
2023年4月22日からそごう美術館にて、彼女が生前遺した約300点のカラー原画や直筆原稿を一同に展示する「さくらももこ展」が開催されています。
明日、同展が最終日を迎えるということで、行けない人のために簡単に紹介します――。
カラー原画と直筆原稿
序章「さくらももこができるまで」では、作者の簡単な生い立ち紹介や、さくら氏が小学1年生の時に描いた絵日記が展示されています。
他にも、たまちゃんとさくら氏が書いた小学校の卒業文集展示もあり。
第1章「ももことちびまる子ちゃん」では、“平成のサザエさん”として国民的作品へと成長していく作品の第1話の直筆原稿と単行本1巻の表紙原画の展示。
他にも、南の島のプサディーや大野くんと杉山君、母の日の話、友蔵の寿司店でのエピソードをはじめ、印象に残っている回の直筆原稿がズラリ。
単行本の表紙絵や扉絵の原画展示もあり、さくら氏が作品に込めた魂を感じることができます。
第2章「ももこのエッセイ」では、エッセイの直筆原稿が展示されており、写真撮影可のコーナーもあります。
他にも、第3章「ももこのまいにち」、第4章「ももこのナンセンス・ワールド」、第5章「ももことコジコジ」などのコーナーがあります。
終章の「アトリエより」では、さくら氏の仕事机の写真や、仕事机に置いてあった備品の数々も展示されています。
写真撮影可のコーナーでは、色々な姿をしたまる子の絵を見ることができます。
なお、そごう横浜店B2Fの入り口近く(インフォメーションの前)に、「さくらももこ展」の撮影スポットがあるのでお忘れなく。
編集後記
ちびまる子ちゃんが国民的作品になり得た理由の一つとして、登場人物が個性的で魅力的なことがあると思います。
これは、『鎌倉殿の13人』にも通じるものがありますが、さくら氏のキャラの描き分けが絶妙に上手いということに尽きると思います。
あと、“夏休みのワクワク感”も含めて、小学生時代の時間の流れ方や空気感を作品を通じて表現できる才能も感じます。
また、庶民生活の空気感を作品に落とし込むのも上手く、原稿用紙の中でキャラクターが生きている感じがするのも不思議でした。
会場では、単行本の表紙絵の原画も展示されていますが、一筆一筆が優しく繊細なタッチでびっくりするくらい丁寧に描かれていたのも印象に残りました。
そして、原画全体から発せられるほっこりとする温かな空気感。さくら氏の人間的な優しさが現れているような気がしました。
また、「ちびまる子ちゃん」のテレビアニメの放送開始が1989年1月7日だったことが判明。
当時は小学校卒業間近で、クラスの女子から「連絡先を書いて」と連絡帳の紙を渡された時、紙の裏に丸尾君の絵を描きまくっていたのを思い出しました。
なお、さくらももこ展は全国巡回となっていて、次回は6月17日(土)~8月23日(水)に静岡市美術館にて開催されます。
ゆめいっぱい/関ゆみ子
「ちびまる子ちゃん(第1期)」OP(1990/01/07~1992/09/27、フジテレビ) pic.twitter.com/Eblc3SXo4F
【出典】「さくらももこ展」「静岡美術館」